消費者委員会は10日、消費者の利益擁護、不当表示抑止のため、景品表示法への課徴金制度導入の必要性は高いとする答申をまとめた。これを受け、消費者庁は制度の具体的な検討に入り、秋の臨時国会に同法改正案の提出を目指す。
栄養成分表示の義務化など食品表示法施行に向けた新基準作りを進めている消費者庁は、新たに脂質に含まれる飽和脂肪酸や、炭水化物の糖質や食物繊維などの内訳表示を可能にする新基準案をまとめ、5月29日に開催された消費者委員会の「栄養表示に関する調査会」に提案、了承された。
食品表示法の施行に向けた加工食品の表示基準を検討している、消費者委員会の「加工食品の表示に関する調査会」(宇理須厚雄座長・藤田保健衛生大学医学部教授)は5日、製造所固有記号制度の消費者庁見直し案を概ね了承し、今夏に予定する食品表示基準案に盛り込むことを決めた。同基準案はパブリックコメント手続きなどを経て、遅くとも来年6月の同法施行までに同庁が新基準として公表する。
政府は2014年(平成26年)版「食育白書」を閣議決定した。11年に策定した第2次食育基本計画で目標値などを示した項目のうち、食育に対する関心度、朝食や夕食を家族で食べる割合、栄養バランス等に配慮した食生活を送っている割合など8項目では、目標達成に向けた改善がみられるが、朝食欠食率やメタボリックシンドローム改善のための適切な食事や運動を継続的に行っている割合については改善が見られないとした。
消費者庁が検討している食品の新たな機能性表示制度を巡り、20日に開催された消費者委員会で同庁に対応や見解を問う場面があった。同庁の竹田秀一食品表示企画課長は、現在「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」で検討中として、具体的な制度の中身について言及は避けたが、新制度で表示できる機能性の範囲については今月2日の検討会に提案した「健康維持・増進に関する表現」が、「トクホ(特定保健用食品)と同等」であるとの見解を示した。
特定保健用食品(トクホ)の申請上の留意事項や、許可に必要な有効性、安全性の試験レベルを示した「特定保健用食品の審査等取扱い及び指導要領」等の改正が、7月以降になる見通しとなっている。この改正は昨年6月に閣議決定された規制改革実施計画で、トクホの許可手続きの合理化、迅速化による申請企業の負担軽減を図る規制緩和策として盛り込まれ今年度中に措置することが決まっている。
厚生労働省は、栄養バランスなどがとれ、かつ日本の食文化の良さを引き継いだ惣菜などの調理済み食品を、「健康な食事」として認証する新たな認証制度の考え方などをまとめ、13日に開催した同省の検討会に提案した。今夏までに検討、結論を得たあと、来年4月にも認証を開始する。
在宅介護や高齢者・障害者向けに、利用者視点からの「新たな介護食品」のあり方を検討している農林水産省は、「新たな介護食品」の愛称公募や、選択方式で個人に合った介護食のカテゴリーに辿り着けるフローチャートを策定するなど方策をまとめた。14日に開催された同省の「介護食品のあり方に関する検討会議」の「認知度向上に関するワーキングチーム」に提案し、概ね了承された。
健康食品など食品の機能性表示制度について検討している、消費者庁の「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」(松澤佑次座長・大阪大学名誉教授)は2日、機能性の科学的根拠レベルなど、機能性表示の根幹に関わる審議を本格的に行い、科学的根拠レベルについて、最終製品を用いたヒト試験またはヒト試験結果を中心とするレビューによって実証するとの消費者庁案を支持。新たな表示制度ではヒトによる機能性の検証が必須になることが確実となった。
食品表示法の施行に向けた栄養表示の基準見直しを進めている消費者庁は、栄養強調表示に関する新基準案をまとめ、4月24日に開催された消費者委員会の「栄養表示に関する調査会」(澁谷いづみ座長・愛知県豊川保健所長)に提案した。